(写真:バンコク市バンケン浄水場の世界最大の高速凝集沈殿地)


飲料水の安全性について

日本で「世界水フォーラム」が開催されたこともあり水の安全に関しての報道が多く見られる。先日もNHKで水道の安全に関しての特番があったが、ここでの指摘は
  @水道の配管として鉛管
  
A残留農薬
  
Bトリハロメタン
  Cクリプトスポリジウム

その他にも有機性溶剤、窒素、リン等々がふれられていた。

マリンスポーツ従事者として水にも関心を持つ中で飲料水の安全について知識を整理してみた。
毎年海外で沢山のレースが開催され参加するセーラーは多い、特に水事情があまり良くない東南アジア(タイやマレーシア、香港、シンガポール、最近はオリンピックの開催される中国の青島)のレースにおいて、実際に飲水で困った事になったセーラーもいる。観光/仕事で大勢の日本人が海外に行くと飲料水の問題に突き当たる。日本に来た外国のセーラーからも同様に日本の水は飲めるのかが彼等は最初に質問する。我々は水道水は安全、当然飲めると考えているが海外ではこの考え方は通用しないことが多く、国内でも無条件で安全に飲めると宣言する事が正しいのであろうかとの状況になってきている。

◆ 鉛管問題 ◆
水廻り工事のことを英語でもプランミング(plumb:鉛錘、plumbing:水道工事)と呼ぶように水道管は柔らかく使い勝手の良い鉛管が古くから使用されていた。昔は歯磨き粉のチューブも鉛であった。以前は使っていたが本当は危険であったというケースは往々にある。加工が容易で鋼管の様に錆びない鉛管は鉛毒についての知識はあっても、多分西洋諸国では水道水を直接飲む事が少ない?からこの問題は無視されてきたのかもしれない。我々が万能薬として使っているクレオソート(正露丸)も実は劇薬で体に害があるといわれていることと同じようなものだ。木材を地中や水中に入る場合、木材の防腐剤としてクレオソートの封入が行なわれる。防腐剤を体の中に入れてよいのか?と、言われてみればその通りであるが、下痢止めの効果から古くから愛用されてきている。先日、体調が悪く薬屋で下痢止めを買おうと店員に相談したら、下痢は悪いものを体が出そうとしているから下痢止めを飲むのは体に良くない旨注意を受けた。ではどうしたら良いのかと聞いたところ、整腸剤を買えといわれて妙に納得してしまった。同様に発ガン性のあるタール成分を含むタールエポと呼ばれる塗料が浄水場の沈殿池や砂ろ過で使われていた。耐食性が良く、膜厚が容易に得られ付着力が強いので殆どの水中部に使用されてきたが、此れも現在は禁止されている。

鉛管で思い出すのは「ウォーターゲート事件」で実際に侵入して捕まった「鉛管工(plumber unit)」という愛称の元CIAメンバー達であり、建屋に侵入して盗聴する組織として適したネーミングだし、作業服で工具箱を抱えてビルに入り壁の後ろで作業していても不思議に思われない職業だ。建築だと、この関係の人達が水道、下水、空調まで請け負うわけで守備範囲は広い。

ところで、鉛管の害と交換に関しての各自治体のHPでの表現は多少の鉛の流出はあるけれども危険でないこと、朝一番の水は飲まない方が良い、自宅内部の配管交換費用は個人持ち等、同じような内容であるが、チャンとHPへ記載してある。

東京都のHP
    http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/life/n_torikae.htm
神戸市水道局のHP
    http://www.city.kobe.jp/cityoffice/51/quality/lead_pipe.htm

話は戻るが、NHKでこのような水に関して警鐘番組を放送することは今まで考えられなかった事である。今まで専門家から指摘され業界では知られていた問題であるが、実際の対策に費用がかかる、効果的な手段が見つからないなどで住民が水に対する不安を持つ事でのパニック騒ぎを恐れ公表は行政からストップがかかっていたのだと思う。水道が全国に普及し、これからの新規の大きな仕事が無くなって来た厚生労働省あたりの意図が見える。TVで取り上げられることは、厚生労働省での予算獲得と実施技術が確立されたことから、敢えて秘密にしておく必要が無くなり、逆に対策を国民から要求させたい意図強くみえる。同じ事が、下水道では秘密にされていた雨水の無処理放流問題(合流式下水道の雨水対策)がお台場海浜公園に流れ着いたオイルボール問題として新聞に取上げられ、下水の業界では一斉に対応装置の検討・提案が発表された事も行政の方針がこの方面にこれから向かうと決定したからである。環境リスク論で活躍されている中西準子先生などは、以前からこの様な問題の指摘をされてきているが、近年の問題化は単に他の仕事な無くなったから、今度は此れに予算を投入させる行政と業界の合意の中でのマスコミでの開示であるが確かにリスクは存在するわけだ。

鉛管の交換は手間と労力だけの問題であり塩ビ管やステンレス管の在庫が沢山あるのだろうし、残留農薬はオゾンと活性炭処理、トリハロメタンは塩素消毒の停止と活性炭処理、クリプトスポロジュームは紫外線消毒(此れは最近の知見であるが)が対応技術となり現状での対応は容易である。

◆ 残留農薬 ◆
残留農薬が水道水に影響を与えたオランダの例がある。スイスで農薬による水の汚染問題が発生し農薬使用規制が行なわれて15年以上経ってから、ライン川の下流にあるオランダでスイスが使用した農薬の影響があらわれ水道水の農薬除去の対応に迫られた。オランダでは水道の取水を直接川からでなく、「リバーベッド方式」と呼ばれる川から500mぐらい離れたところに井戸を掘り、井戸水を水道の原水としている。川の水は天然の砂層を通過することでろ過され、この井戸水を単純にフィルターに通して水道水として使用していた(1015の井戸から取水している。継続すると詰まる井戸がでてくるので、新しい井戸に交換する)。日本のような塩素消毒は行われていないのは、ヨーロッパでは水道水を直接飲むことがないからかもしれない。ヨーロッパでは塩素消毒の規制が無い国も有り(フランス、オランダ、デンマーク等)、UV、オゾンン、二酸化塩素、クロラミンなど他の方法も使われている。フランスでは水を飲むのは蛙だけで人は飲まないと学生時代フランス語の授業でフランス人の先生から教えられた。先生曰く、水道水は飲まないがビーシー水だとかオブは飲むと説明された。オブとはミネラルウォーターの名前かと生徒一同思ったが、先生に何回か聞きなおし意味が判明した。日本語で「おぶ:湯冷まし」のことであった。

フランスのミネラルウォーターだとペリエを思い出すが、ビーシー水も一般的な名称の様である。映画「カサブランカ」で警察署長がテーブルの上にあるビンからコップに注いで一口飲んで、そのままビンをクズカゴに捨てるシーンがあったが、その時にビンのラベルが一瞬アップになる。最初に見たときな、何故ワインを捨てるの?モッタイナイ、次に何故ラベルがアップに?と思ったのが見終わってからも残っていたのが後年TVで見てみてやっと理解できた。高校の世界史で習ったが、ドイツに占領されたフランスは傀儡のビーシー政権下にあり、ビーシー水のビンを捨てたのだと判った。最後まで観客に警察署長の態度に気を持たせていても、この段階で理解できる者に種明かししていたわけで、戦時中に製作されたこの映画を見ているアメリカ人をからかったのかなと思う。

オランダでは水道取水に含まれる農薬を除去するためオゾンで酸化分解、その後に活性炭で吸着させる。活性炭プロセスが入ると活性炭内部に細菌の発生が起こるので、次に水の消毒プロセスが必要となり紫外線消毒を加えた。スイスの農薬で余計なプロセスが3つも加わったわけだ。

地中のダイオキシン残留濃度の問題で、焼却炉からのダイオキシンが原因と言われていたが、第一原因は30年代から農作物に使用され続けてきた農薬が原因だと中西準子先生が突き止められたが、国内でも農薬の影響は大きかったわけである。子供の頃は何かと言うと家庭内でもDDTが散布された覚えがある。

◆ トリハロメタン ◆
トリハロメタンは塩素副生成物と呼ばれ塩素が有機物と結合してできる発がん性物質である。この防止には水の中の有機物の除去、塩素消毒をやめる等があるが発生したトリハロメタンは曝気して大気中に放出するか活性炭吸着で容易に除外できる。

活性炭を使用すると、その後に又消毒プロセスが必要になり塩素で再度消毒とイタチゴッコみたいであるが、奇麗な水に塩素を注入しても塩素副生成物は発生しない。最初から紫外線で消毒すれば良いのだが、紫外線の場合、塩素と異なり消毒効果が持続しない欠点があり日本の水道の基準に適合しない(基準は蛇口で塩素濃度0.1mg/L以上必要)

この問題は、近年水道の水源の汚染から発生したことで、綺麗な水の時代には問題が発生しなかった事である。

活性炭でトリハロメタンを吸着する事は容易にできる。市販でトリハロメタンの除去を謳った簡易浄水装置が売られているが問題はその後の処理である。活性炭の吸着能力には限界があるので使い続けるためには交換するか吸着物を活性炭より追い出して再生することになる。又、活性炭部分で塩素を吸着するので水に消毒作用が無くなり活性炭内部で細菌が繁殖する。この問題に対処する目的で活性炭の後に中空糸膜をつけているのが殆どの市販装置である。中空糸膜の穴径は0.1μmで細菌より小さいのでここで除去できることから処理水の方に細菌が出てこない。

活性炭の消毒とトリハロメタンの活性炭からの除去を目的に熱湯を使う装置がある。説明では上手く機能するように説明されているが実際に言われている程の効果は無い。

活性炭には特定の物質毎に吸着量が決まっていて、そこまで吸着すると破瓜したと呼ばれ新しいものと交換する。又、活性炭の特性として、吸着物質の濃度が低くなると今まで吸着していたものを放出する性質があり破瓜点まで吸着させると再放出の危険があるので、吸着限界を破瓜点よりかなり下に設定する。

一旦吸着した物質を活性炭から追い出す事で、吸着能力を復活させる方法はドライクリーニングでテトラクロロエチレンを吸着させて、その後に蒸気で水に溶かしながら追い出す手法が使われている。同様な処理をトラハロメタンに温水で行なった結果を分析したが、殆ど除去できなかった。吸着物質の分離はもっと高温(蒸気の使用になる)で行なわないと効果がでない事がわかった。従って一般市販の装置は温水で活性炭の再生を売りにしている点は疑問である。

GoogleYAhoo!で「浄水器+トリハロメタン」で検索してみると山のように市販の浄水器が見つかる。どの装置も基本は活性炭+中空糸膜(フィルター)で構成されているが、中には逆浸透膜を使っているものもある。スペックが高級だからと言って飲料水に適しているとは限らない。あまりに水の中の不純物を除くと、無菌マウスを育成しているように菌に対する耐性が無くなり決して健康に良いとはいえない。

以前、ウインドサーフィンのレースで、海上で選手に飲料水を補給する事になり、スポーツドリンクのペットボトルが海に落ちた時に浮かんでいるのかを飲料水メーカーの社員に確認した時の返答が、「水に不純物が入っているから当然沈みます」と言われ、聞いていた全員が「健康ドリンクの成分は不純物だ!」と一瞬ギックリした事がある。結局ペットボトルは不純物による比重増加より内部空間の浮力が強く浮く事が判明したのでメデタシメデタシとなったが、水の立場から見れば、体に有効な健康成分でも「不純物質」となるわけだ。

◆ 塩素で消毒できない水道に含まれる原虫(クリプトスポリジウム) ◆
クリプト問題は水道関係者では今まで秘密になっていたが、要は通常の水道で使用する塩素消毒では殺菌できないクリプトスポリジウムと呼ばれる原虫が水道に含まれる可能性があることである。1993年にミルウォーキー市の水道で発生した際は40万人が感染し“100人近くの人々”が命を落とした。1994年平塚市でビルの受水槽に漏水から感染事故、1996年埼玉県越生市の簡易水道で9千人が感染した。クリプトスポリジウムは高齢者や乳幼児、免疫系が弱くなっているエイズ患者やガン患者にとっては致命的となる恐れがある。これまで90種類の抗生物質が試されてきたが、この寄生虫への感染には薬物療法が効かないことと、どれだけこれに接すれば病気になるのかという点についても、はっきりしたことが誰にもわかっていない。このため、病原体となるこの原虫自体を取り除く方法を見つけることが急務となっている。

クリプト病原体に関して詳しく知りたい場合は、国立感染症研究所寄生動物部のHPを参照されたしhttp://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k01_g3/k01_52/k01_52.html

他に、各自治体の水道局のHPに現状の対応策等々が掲載されている。
東京都水道局  
http://www.tokyo-eiken.go.jp/topics/crypto.html
             http://www.tokyo-eiken.go.jp/topics/cryp-1.html
愛知県衛生研究所(解説がたいへんわかり易い)
      http://www.pref.aichi.jp/eiseiken/5f/cryptosporidium.html

現在の塩素消毒基準(0.1mg/L )は,塩素の消毒効果を考えるとかなり高めで、一説には戦地や軍艦などの基準値がもとになっている。アメリカの進駐軍が非文明国でGIの健康を維持するために飲料水を塩素で完全に消毒する基準を作ったらしい。確かに畑に人糞を撒いている国の飲料水は安心して飲めないと考えても不思議でない。短期滞在の駐留軍の基準以上に住民に影響する塩素濃度を上げるわけには行かないため、この原虫が塩素で無害化できないことが水道業界で問題化したわけである。

クリプトと呼ばれる原虫は数ミクロンのサイズで、砂ろ過で十分にろ過できるサイズだが、砂でのろ過であるゆえに入って来る数が増えれば必然的に漏れ出す個数も多くなる。クリプトに感染した患者の排便が下水に流れ込むことはクリプトが大量に流入することであり、下水処理水の放流口が水道の取水口より上流にあれば沢山のクリプトを浄水場に取り込むことになる。よく発展途上国に行くと水にあたり下痢をして1週間程度体調を壊した後に回復して以後は水に慣れる症状はクリプトのせいだろうと言われている。クリプトに感染しても酷い下痢症状を克服すれば抗体ができ以後影響を受けなくなる。

現状では次の対応が行なわれている。
「クリプトの水道基準:日本」
   暫定対策指針:20Lを検査→検出されたら給水を停止する  0個/20L
     (サンプリングしてみて、見つからなければ安全という意味)

この対策には世界中の水道関係者が注意してきたが、原虫は外側に硬い殻を持ち消毒に使う程度の塩素濃度では効果が得られないことからオゾン殺菌等が検討された。オゾン設備はイニシャルコスト、ランニングコストも費用がかかり、更にオゾン自体毒物でもあり他の代替策も模索されていた。

塩素消毒が効かないことからクリプトが問題化されたが浄水場の設備にも原因がある。戦後、国内の浄水場の砂ろ過設備が従来からの「緩速ろ過方式」よりアメリカから導入された「急速ろ過方式」に代わった事である。水道需要の増加に伴い、緩速ろ過池は大きな面積を必要とするので国土の狭い日本の事情から設置面積が少ない急速ろ過設備が採用される事になった。

緩速ろ過のろ過速度は4〜5m/日に対して、急速ろ過は120150m/日であり、砂を洗う逆洗工程の時間を入れても急速ろ過設備は設置面積が減少するのは一目瞭然である。現在の新宿副都心のビル群はかって淀橋浄水場の緩速ろ過池があった場所である。新宿西口の工学院大学の裏から広大なろ過池が広がっていた。この緩速ろ過の場合クリプトは砂ろ過の表面で完全に捕捉されるが、機械的にろ過砂の洗浄を繰り返す急速ろ過では補足が不十分になる。

 クリプトスポロジウムに関する詳細情報について

◆ 高価な飲料水の時代 ◆
今まで、日本では自然に水道の水を飲んでいたが、近年ペットボトルの水の消費量が増加しえいる。砂漠の国のサウジアラビアでガソリン7円/Lのところで、水は10倍の70円/Lも払った経験があるが石油を使った海水淡水化装置(デサリネイション)によりつくられている水だから納得できたが、日本のペットボトルの水もいつの間にかガソリンより高価になってしまった(谷川岳の湧き水だとか、原料は無料なのに)

中近東のデサリネイションによる無味の水を飲んでいると、東南アジア諸国での水(当然浄化されたペットボトル)はいかに味があるのかが切実と感じる。多少の有機分も入っているのだろうが水にも美味しい不味いが感じられる。国内では少し前まで、大阪の水は飲めたものではなかったが最近は改善された。東京都の金町浄水場も取水条件が悪く水質が悪いが、活性炭で処理が行なわれているはずだ。これから都会で安全で美味しい水道水を得ようとすれば、益々余計な費用がかかることの合意形成を狙った目的がありそうなNHKの番組であった。

【注記】
水道水にカルキ臭がする(塩素殺菌)のは、水に不純物があり塩素と結合した塩素化合物になるためであり、不純物がない水であれば塩素を添加しても無味無臭である。

水道法で水道の蛇口の残留塩素濃度が0.1mg/L以上と規定されているが、水に不純物があると塩化化合物になり残留塩素として塩素が使われないので塩素注入量が増加する。

このことから、水道水から「美味しい水」をつくる装置は、一旦水道水を活性炭や膜で浄化してから珊瑚砂等でミネラル分を補充して塩素を注入して再度消毒する方式を採用しているものが多い。

プールでの塩素消毒で目が痛くなる程に塩素が使われているのは、塩素がアンモニア性窒素(汗とか尿)と反応してクロラミンになるので、残留塩素を規定量入れようとすると塩素投入量が増加するためである。環境に優しいプールとして、最近はクロラミン除去目的で紫外線ランプ(殺菌よりもクロラミンの酸化分解目的として)がヨーロッパの競泳プールで採用されてきている。

塩素の人体への影響に関しては未だはっきりわかっていない。殺菌は塩素からの被害よりも消毒効果のほうがリスク管理面で有効であるとの観点から採用していることであり、今後、塩素の消毒を含めて生活環境から塩素の影響を少なくしていく事が重要な課題になってくるのではないか。

「水道水」
近年飲料水を買う人が増えているが、国内では水道水を飲むことは可能だ。海外から来たセーラー達をホームスティーさせると真っ先に聞くのが、ここの水は飲めるかだ。当然Yesと答えているが、段々自信が無くなってくる。

タイ国バンコク市の水道施設は世界1大きな処理施設(日本からODA援助で空港の近くのバンケン浄水場は東京都の金町や大阪府の村野浄水場より遥かに大きな規模)が備わっている。そこからチャンと消毒された水道水が市内へ供給されているが、市内のビルの貯槽へ引き込むためにビルに設置したポンプで直接水道管から吸い込んでいるとのこと。地下水位が高いバンコク市内では、水道水と一緒に配管の隙間から地下水も吸い込んでいるらしい。浄水場から送られる水量より、市内で消費される水量の方が多くなるのは余分な地下水の使用が原因との事である(配管からの漏水により送水量が全量消費されないのが日本の状況)。こんな状態では水道水を直接に飲むわけにはいかない(日本では水道管に直接ポンプを繋ぐ事は禁止されている)

インドネシアでは食堂も事務所でのミーティングでも紙コップの上をビニールでカバーした水とストローがでてくるが、飲水はやはり貴重な取扱いだ。

小さな島国のシンガポールではマレーシア側から水を買っている。パイプで送水されているが、やはり自分の国内での水の確保が重要(戦略的な意味からも)であり、最近は海水淡水化設備も建設しているが、必ず毎日の様に来るスコールの水を貯めることで水道用水にしている。土地が狭く貯水場の用地が無いので、湾を仕切って貯水池として、そこに雨水を貯めて行けば数年で海水は薄まり淡水となり水源として使える。その他にも下水処理水の再利用(逆浸透膜システムで飲めるまでの処理を行なうらしい)を完璧に行なっている。この国では、水道の水質は安心出来るが、水を得るために使う費用は莫大なものである。

日本でも水と空気はタダと思われていたのが、既に水はお金を出してボトルを買うのが生活に浸透してきてしまった。空気だって、酸素ボンベ抱えて歩く様にはなって欲しくないところだ。

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