レースで使用される信号旗(国際信号旗の用途と種類)

『海上での合図について』

今回の、江ノ島―葉山間のレースコースは海岸線から1km以上離れた沖に設置されます。理由は、江ノ島から葉山の海域には、幾つかの障害物があります。
障害物とは、魚網(定置網、養殖エリア、さし網、タコつぼ等の浮きやロープ類)、ダイビングポイントなどで、上を通過する、或いは近寄るこことにリスクがある物です。

ヨットやカヌーのセンターボード、ラダー、スケグをロープにからめる恐れもあり、また波が高い場合はロープ類が見えづらく、トラブルの原因となります。
したがって、レースコースは障害物を避けた安全な海域を選定し、結果として沖合を走ることになりました。

スタートエリアも江ノ島会場では、ハーバーの沖合約500mのところです。
コースの中間点のゲートは、稲村ケ崎沖1km程度になります。

したがって、一旦海上に出た選手に連絡を行う事は、難しい状況も有り得ます。海上の運営船に目視で判別できる旗類により状況を知らせる一般の船舶で行われている手法をヨット競技では使います。

ヨット競技では、海上での連絡、指示を目視で判別できる旗を使用し、これを主信号として、音声(フォーン、ブザー)を補助的な信号としています。
これは、荒天時に音が遠くまで届かないことや、自分の艇のセールのシバー(ばたつき)で音声が聞こえないことを想定しています。

今回、ヨットの他にカヌー等の艇種が参加します。ヨットで使用されている「旗の合図」をカヌーのレースにおいても取り入れます。

普段は、旗による信号に慣れない参加者も多いと思いますので、基本的な信号旗の説明をつくりました。

使用される旗は、船舶で使われる「国際信号旗」及び各色旗で、国際セーリング連盟の競技規則(RRS)に規定されているものと、この大会で必要性があり規定した旗類です。

図:覚えておく必要のあるレース信号旗
●:音声一声、 ●・・・●:連続音
スタート前の信号(ヨットのレース)
予告信号 準備信号(P旗) I旗
クラス旗
その他指定された旗
↑↓ ↑↓ ↑↓
リコールの信号
X旗 : 個別のリコール 第1代表旗 : ゼネラルリコール
●  ●●  予告信号はクラス旗と共に降下1分後に掲揚
コース変更信号
S旗 : コース短縮 C旗 : コース変更
               ↑ ●●    
予告信号以前 : 短縮コースを帆走せよ
回航マーク又はフィニッシュマーク : 近くのマークとこの旗を掲揚した艇の間をフィニッシュせよ
●・・・・・・●
次のマークの位置を変更した
その他の信号
L旗 M旗 Y旗 青色旗 オレンジ色旗
●・・・・・・●
陸上:通告を掲示
海上:声の届く範囲に来い
紛失したマークの代わり ライフジャケットの着用義務 フィニッシュラインが設置された意味 スタートラインのポールに掲揚
延期信号
AP旗 H旗の上にAP旗 A旗の上にAP旗


●● ●● ●●
スタートしていないレースは延期とする。
降下の1分後に予告信号を発する。
スタートしていないレースは延期で陸上へ戻ること スタートしていないレースは延期で本日は終了
中止信号
N旗 H旗の上にN旗 A旗の上にN旗


●●●  ●●● ●●●
スタートしていないレースは中止とする
(スタートエリアに戻れ)
降下の1分後に予告信号を発する。
すべてのレースを中止にするので陸上に戻ること すべてのレースは中止する。本日は終了。

カヌー種目も次の「信号旗」を使います

スタート前の信号(カヌーのレース)
Z旗 注記
Z旗は日本海海戦で有名な信号旗です。
今回はヨットのレースでは使われませんので、目立つ旗ですので採用しました。
↑●  ↓
スタート時刻の5分前に掲揚 
スタート時に降下
その他の信号
青色旗 オレンジ色旗
 フィニッシュラインが設置された意味
スタートライン、フィニッシュラインのポールに掲揚
延期信号(スタート前に使われます)
AP旗 H旗の上にAP旗 A旗の上にAP旗


●● ●● ●●
スタートしていないレースは延期とする。
降下の1分後に予告信号を発する。
スタートしていないレースは延期で陸上へ戻ること スタートしていないレースは延期で本日は終了
中止信号(スタート後に使われます)
N旗 H旗の上にN旗 A旗の上にN旗


●●●  ●●● ●●●
スタートしていないレースは中止とする
(スタートエリアに戻れ)
降下の1分後に予告信号を発する。
すべてのレースを中止にするので陸上に戻ること すべてのレースは中止する。本日は終了。

  《カヌーレース参加者への信号旗の解説》

AP旗」(回答旗):レースの延期を示す旗です。

◆「陸上の大会本部のポールに掲揚」
何らかの理由でレースが予定時間通りの実施を延期している合図です。この旗が掲揚されている間は、ハーバー待機となります。
◆「海上で、スタート本部艇に掲揚」何らかの理由で、定刻のスタート時間を延期している合図です。
これが降下されて1分後に、レースのスタート5分前となります。

◆「AP旗と組合せで使われる旗」
「H旗」:APH旗で、レースは延期され、次の指示はハーバーで行う意味になります。従って、海上でこの信号が出たら、ハーバー(陸上)に戻ります。
「A旗」:APA旗で、レースは延期され、本日は行われないと言う意味になります。1日だけのレースの場合は、レースの中止を意味します。

「N旗」:レースが中止の合図です。

◆「N旗」と組合せで使われる旗
H旗」:N+H旗で、レースは中止され、次の指示はハーバーで行う意味になります。従って、海上でこの信号が出たら、ハーバー(陸上)に戻ります。
「A旗」:N+A旗で、レースは中止され、本日は行われないと言う意味になります。
同じ様なレースの延期、中止を意味しますが、

AP旗はレーススタート前に使われ、N旗はレーススタート後に使われます。

【使用される例】
@地震があり、津波警報が出された様な場合は、連絡を受けたスタート本部船は、参加者を陸上に早急に戻すために、「AP+H」或いは「AP+A」を掲揚すると思います。

音声2発で旗の掲揚の合図を行います。

スタート後でしたら、「N+H」或いは「NA」を掲げた運営ボートや、各マーク艇、ゲート艇が合図を行います。

Aスタート後の急激な天候の悪化等の時に、レース艇を早急にハーバー(陸上)へ戻したい時。

「オレンジ旗」:スタート・フィニッシュラインの端を示します。

◆海上にレースのスタート・フィニッシュラインを船と船の間、あるいは船とブイ(マーク)間、または陸上と海上のマークの間とする場合、正確にラインの一端の位置を示すのが「オレンジ旗」を掲揚したポールです。

○ 船と船:両方のオレンジ旗を掲揚したポール(柱)の間
○  船とブイ:船のオレンジ旗を掲揚したポールとブイ(円筒)のコース側の側面
○  陸上とブイ:陸上のオレンジ旗を掲揚したポールとブイ(円筒)のコース側の側面

「青旗」フィニッシュラインを設置したことを示す旗です。

◆「青旗」が運営ボートや陸上のフィニッシュライン位置に掲揚されたら、フィニッシュラインが正式に設置されたことを示します。

フィニッシュは、「オレンジ旗」で説明したフィニッシュラインに艇の先端が横切ればフィニッシュとなります。


スタート手順(カヌー)

スタート時刻を前もって伝えるために、スタート本部艇に5分前にカヌーのクラス旗を掲揚して、時刻をしらせることにします。

カヌーのクラス旗は国際信号旗の「Z旗」とします。

  ◆ スタート5分前:クラス旗掲揚(長音一声)

 ◆ スタート    クラス旗降下(長音一声)